とある猫の物語

やぁ〜初めまして・・・
これからは君のお父さん?お母さんかな?
これから一緒に暮らす家族だよ…
宜しくね…
さくら♪


まだ空から雫が落ちるそんな時期
日が暮れこれから夜の帳になる頃…
仕事帰りとある家におもむき…
玄関先で…
3匹の子猫が入っていた籠から1匹を手に取り私はこう言った。
とても小さかった…

ハムスター?
シロと灰色は混じった子猫

小さいね。毛がフサフサしてるね。
手乗りサイズじゃない?
目もまだ明いてないじゃない。
皆で寄り添って寝てたのかな?

…可愛いね。


この子がいいなぁ…
女の子?

まだ分からないのよね…
…きっと女の子でしょうね
育て行くと性別がはっきり分かるようになるから…
それまではお楽しみって言う事で

…そっか…

やぁ〜初めまして・・・
これからは君のお父さん?お母さんかな?
これから一緒に暮らす家族だよ…
宜しくね…
さくら♪

可愛い名でしょ…

名前は決めたんだ。
私が初めて飼う動物にはこの名前ってね。

その時からサクラの運命が決まったのかもしれない…
手の内側か小さく聞こえる鼓動と温もり
それは小さくてまだ目も明けられない
愛くるしく寄り添って寝ていた子猫だった

…痛い!!引っかかれた…
うぅぅ。オチビ。
痛いじゃないか!
ミィ〜じゃないよもぉ〜…
起きたのか?…まぁ〜いいや。

そろそろ行くよ…。
みんなにお別れの挨拶して…。

お家に帰ろう…。」


「 じゃぁ〜また明日。
すまないね。こんな時間に
あ!後分からない事あったら聞くのでよろしくね。
ほんじゃぁねぇ〜♪
と玄関先を後にした。


君の親は?
兄弟と一緒の方が良かった?
なぜ公園なんかに捨てられてた?

と…サクラに色々聞いてみても…
サクラは包まってそっぽを向いていた。
返事も…ミィ〜としか鳴かない。

ふぅ〜
煙草を加えながら
霧雨の降りあるく中を
ひたすら車で家路に向かう…


サクラと私の出会い